血糖値を高くしている原因
血糖値とは血中のブドウ糖の濃度を表しています。
この血糖値が高い状態(高血糖)が続いていくと、様々な要因を経て、糖尿病を発症する可能性を高めます。
しかし、まだ糖尿病になっていない糖尿病予備軍であれば、高血糖の原因や対策をしっかりと学び改善していくことで、糖尿病を予防することも可能です。
正しい知識を得て生活習慣の改善に取り組みましょう。
血糖値が高い原因とは
血糖値が高くなる原因は「肥満」「運動不足」「過食」「ストレス」「遺伝」「加齢」の大きく6つにわけられます。
- 肥満
- 血糖値が急上昇するとインスリンが分泌されます。
インスリンは、血糖値を一定に保つ働きをもっており、正常に働くことで血糖値が高くなるのを防ぎます。
しかし、肥満になることで、インスリンの効き目が阻害され、血糖値が上昇した状態が続いてしまいます。
- 運動不足
- ブドウ糖の消費は、筋肉の量に関連します。
日頃から運動をせず運動不足になることで筋肉量が減少してしまい、血中のブドウ糖が消費されにくくなり、体脂肪として貯蓄されます。
運動不足になることで肥満へとつながり、結果としてインスリンの働きが低下してしまいます。
- 過食(糖のとり過ぎ)
- 外食が多くなったり、コンビニ弁当といった、バランスの悪い乱れた食生活習慣をおくってしまうと、高カロリー、高塩分となってしまい体に大きな負担がかかってしまいます。
その結果、肥満へつながったり、痩せ体型なのに高血糖になってしまい、糖尿病予備軍となってしまうことがあります。
- ストレス
- ストレスを感じることで、交感神経を緊張させ、そのストレスから身を守ろうとするために血糖値があがります。
その結果、インスリンを分泌する副交感神経を抑制してしまい、血糖値が上がってしまいます。
- 遺伝
- 「糖尿病」が遺伝すると言われることがありますが、実際は「糖尿病になりやすい体質」が遺伝します。
特に両親共に糖尿病の場合は、高い確率でその子供も高血糖状態を引き起こしやすい体質となります。
糖尿病になりやすい体質の女性の場合、妊娠した際に妊娠糖尿病になる可能性も高くなります。
- 加齢
- 年令を重ねることで内蔵脂肪が増加していくために、インスリンの効き目が阻害されます。
さらにインスリンの分泌量も低下し、ブドウ糖の処理能力が低下していくために加齢によって糖尿病になりやすい体へ変化します。
血糖値の正常値とは
血糖値の正常値は日本糖尿病学会により、以下のように分類されています。
- 血糖値の指標
指標 |
優 |
良 |
可 |
不可 |
空腹時血糖値 (mg/dl) |
80~110未満 |
110~130未満 |
130~160未満 |
160以上 |
食後2時間血糖値 (mg/dl) |
80~140未満 |
140~180未満 |
180~220未満 |
220以上 |
- ヘモグロビンA1c(HbA1c)の指標
指標 |
優 |
良 |
不十分 |
不良 |
不可 |
HbA1c値 (%) |
6.2未満 |
6.2~6.9未満 |
6.9~7.4未満 |
7.4~8.4未満 |
8.4以上 |
- 血糖値の指標で、空腹時と食後2時間血糖値「優」欄の数値が血糖値の正常値になります
- ヘモグロビンA1cの指標でHbA1c値の「優」欄の数値が正常値になります
血糖値を下げるには
食生活の改善と適度な運動を行うことで、血糖値を下げることができます。
食生活の改善
- 1日3回規則正しく食事をする
- お腹いっぱい食べるのではなく、腹八分目を意識して食べましょう。
特に朝昼を少なく、夜に多く食べてしまうような偏った食生活は避けましょう。
また早食いをすると血糖値が急激に上昇してしまいますので、ゆっくりと噛んで食べるようにしましょう。
- 糖質は最後に、野菜、汁物などの食物繊維が豊富なものから先に食べる
- まず最初に野菜や汁物(海藻)などの食物繊維が豊富なものから食べることで、血糖値の上昇を抑えます。
また、糖質を摂取すると血糖値の上昇につながりますので、ご飯などの多糖類から摂取することで、血糖値の上昇を緩やかにします。
白米の糖質が気になる場合は、玄米や五穀米などに替えることで血糖値を抑えられます。
- グリセミック指数(GI値)を意識した食事をする
- グリセミック指数とは、基準食品を100とし、炭水化物食品の中で血糖値を上昇させる指数のことをいいます。
グリセミック指数が高い食品ほど消化吸収が早く血糖値が急激に上昇しやすく、グリセミック指数が低い食品ほど血糖値の変動が少なくなります。
このグリセミック指数を意識して食事を行うことで、血糖値をコントロールしやすくなります。
適度な運動
- 食後30分から1時間ほど経ってから開始する
- 食後30分から1時間ほど経過すると血糖値が上がり始めます。
この時間帯に運動を行うことで、血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用でき効果的な運動を行うことができます。
さらには毎日継続することで、運動の効果が現れます。
- 脂肪をしっかり燃焼させるために30分以上の有酸素運動を
- 有酸素運動としてウォーキングを30分以上目安に無理のないペースで歩きましょう。
また、「歩くより少し早く」を意識することで、より効果的な運動効果が期待できます。